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牛込陽介さんによる”スペキュラティブなデザイン”ワークショップに参加

http://wired.jp/2015/05/20/arbitrary-future-f/

推測のデザイン(Speculative Design)に取り組んだシナリオです。

画像:自分が食べる鶏から送られてくるメッセージ。

養鶏場はいらなくなった。
ベランダのエアコン室外機の隣にある可愛いボックスがうちのにわとりだ。卵をボックスにいれると、最後には食肉になってでてくる。
外から中を見ることはできない。
このなかには確かににわとりのQちゃんがいる。
うちの長男が名付けた名前だ。
長男は毎日ゲームの世界でQちゃんと冒険をしているそうだ。
Qちゃんはボックスの中にいるが、VRで広い世界に繋がっている。毎日うちの長男と草原を駆け回り、良いドラゴンとして火を噴き、お姫様を長男と一緒に助ける。
そしてある日、Qちゃんは私たち家族に別れを告げる。いろいろな思い出と一緒に、私たちはQちゃんをローストして食べるだろう。
長男は、Qちゃんは悪いドラゴンの炎に敗れたのだという。

自分が食べるものと自分はどのように関わるべきか。

家の庭に鶏入りボックスがあり、子供はVRを通じて鶏と精神的レベルの交流を図る(ここが泣ける部分だと思う)。しかし本来の、大人的な目的は新鮮で安全な鶏肉の供給であり、別れは必ずやってくる。

*6月に参加した牛込陽介さんによるワークショップで3人のメンバーTsuyoshi Ieta Minori Fujii Yasushi Takamatsuと共に半日で作りあげた未来の仮説です。
http://wired.jp/2015/05/20/arbitrary-future-f/

*課題は、以下の2つをヒントに任意の未来を描くこと
1)養鶏場の鶏のためのVRの記事 http://techcrunch.com/…/an-oculus-rift-for-chickens-gives-…/
2)takram社のデザイン方法のひとつ、拡大・縮小

*鶏肉をマスプロダクトとして作る工場である養鶏場が、個人用の箱になって家にやってきたらどうなるか。
*VRの世界で鶏がその精神的健康を維持する、という研究をヒントに、鶏達が子供達の冒険の友となるVRゲーム世界を想定した。
*鶏が大人になることは、人間の食卓に乗る時期が来たということであり、ゲームの世界で子供は鶏と別れなければならない。
*自分たちが食べる相手と精神的なつながりを得るとは、どういうことなのか、単に辛いのか、あるいは、それはあるべき姿なのか。

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